弁護士法人 おおいた市民総合法律事務所 様

―今回は、大分市で活躍されている「弁護士法人 おおいた市民総合法律事務所」

河野 聡 弁護士にお話を伺いました。

インタビュー:梯所長、菊池     

梯 :本日はお忙しいところありがとうございます。早速ですが、インタビューを始めさせてください。まず、弁護士になられて何年でしょうか?


河野:1988年4月に登録しておりますので、約32年です。


梯 :今年還暦を迎えられたそうですので、人生の半分以上が弁護士ですね。弁護士になりたいと思ったきっかけは何ですか?


河野:そうですね。高校生の頃、地域で色々な差別等を目の当たりにし、いころの正義感で目指しました。


梯 :出身は大阪府でしたよね?


河野:父の転勤で全国まわっていましたが、主に大阪周辺です。


梯 :大分に住まれて何年ですか?


河野:26歳から司法修習生で大分に来ましたので、約34年になります。


梯 :当時の大分の印象はどうでしたか?


河野:意外に都会と感じました。気候が良くとても住みやすかったです。

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―開業、そしてモットーについて聞いてみました。

梯 :この事務所はいつ開業されましたか?


河野:弁護士になって3年目に独立し、1991年3月に開業しました。来年3月でちょうど30周年を迎えます。


梯 :事務所経営のモットーにされていることはありますか?


河野:事務所の標語は、「常に市民とともに」という言葉で表しています。


梯 :事務所の名前にも「市民」という言葉が入っていますね。


河野:弁護士事務所に相談に行くということを、とても敷居が高く感じられ ている方も多くいらっしゃいます。「ご紹介が無くても、敷居が高くなく、ご相談に来られますよ」という意味を込めています。法律事務所の名前で「市民」という言葉が入るのは、珍しいかもしませんね。


梯 :弁護士になって良かったと思うことはありますか?


河野:仕事の中で正義や人権等を主張したり、貫いたりすることができるはありがたいですし、言論的には自由な仕事である、ということでかね。


梯 :独立開業した際、特に力を入れたことはありますか?


河野当時は大分県で一番若い弁護士で、7年間は最年少弁護士でした。だからこそ、他の弁護士が取り組んでいない消費者金融・多重債務問題に取り組みました。当時、世の中の人はその問題をあまり知らず、今のように認知されていませんでした。そこを掘り起こしていく、世の中の人に知ってもらうという活動に積極的に取り組みました。


梯 :御社は大分ではもちろん、全国でもその先駆けの事務所でしたね。


河野:東京で少し増え始めたころから取り組み、全国的に見てもかなり早くから取り組んでいました。


梯 :大分ではクレサラ問題の第一人者と言われるようになってましたね。他の弁護士もたくさん取り組むようになり、「過払バブル」と言われるようになりましたが、そういった風潮はどのように受け止めていましたか?


河野:私は当初から、この社会問題を解決したい・被害が無くなってほしいという強い想いで、ノウハウは一切隠さずオープンにし、書籍等も執筆してきました。結果、現在では多くの人々に認知されたことはとても嬉しく思います。


 :弁護士になって、特に印象に残っていることはありますか?


河野:先ほどの多重債務の問題でいうと、当時の消費者金融会社の違法行為を、私が代表となって弁護団を作り追及しました。最高裁で弁論し、判例を最高裁でひっくり返す経験ができたことは、とても勉強になりました。当時の朝の情報番組であった朝ズバやスッキリに出演し、解説したのも印象に残っています。その他にも建築紛争の件で、最高裁で弁論することがありました。護士を一生やっても最高裁で弁論したことが無い人は多いですが、自分の専門分野で2回出来たことは良い思い出です。


※写真 左 :和田 聖仁 弁護士(大分事務所)

    中央:河野 聡  弁護士(大分事務所)

    右 :柿木 大  弁護士(日田事務所)

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―最近の取り組みについて聞いてみました。

梯 :最近、特に力をいれていることはありますか?


河野:家族信託です。


 :最近では民法改正、民事執行法の改正も話題になりましたね。


河野:そうですね。いずれも皆さん知らない方が多いのが現状です。私は、得意分野である家族信託、相続、事業承継で研究会を作り、5年程経ちます。最初は研究や講演活動ばかりでしたが、ようやく定着してきました。最近ではホームページ等からご相談を頂き、信託契約を作ることで喜んで頂いています。とてもやりがいを感じる仕事です。

梯 :その他に力を入れていることはありますか?


河野:「まとめて顧問」というサービスを始めています。弁護士・社労士・司法書士の3者で一緒に顧問になることによって、割安でご契約いただけます。社労士は必要だけど、弁護士まで必要か分からない・・・といった方でも、良いきっかけになると思います。特に予防的な意味合いで契約書や就業規則を見直し、将来問題が起きないために、弁護士にコンプライアンスチェックを依頼することもお勧めです。

※写真  左:渡邊司法書士・行政書士

    中央:河野弁護士

     右:渡邊社会保険労務士

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梯 :今コロナの問題がありますが、法律的な観点から気になる点はありますか?


河野:緊急事態宣言中、裁判所が法廷をすべて延期してしまいました。養育費の事件の調停等、急ぐ案件も延期となってしまい、依頼者にご迷惑がかかり大変苦労しました。

―日田事務所について聞いてみました。     

梯 :御社は日田にも事務所をかまえていますね。日田事務所についても教えてください。


河野:まず、2002年に弁護士法人制度ができました。それを受け、「大分県で第一号の弁護士法人になりたい」という思いから、すぐに弁護士法人を設立しました。弁護士法人になると支店が作れます。どこに出そうかなと考えたとき、当時事務所のなかった宇佐や別府に作ることも考えましたが、色んな支部に裁判で行った際、日田が好きでしたので、2004年に日田に設立しました。当時の先輩弁護士からは、日田に事務所を作るのは難しい、日田の人は閉鎖的だから、表通りには事務所を建てない方が良い、等々言われましたが、私はあえて表通りに事務所をかまえました。日田に設立して16年が経ちましたが、日田の方々が閉鎖的と感じたことは一度もないですね。大分市周辺では経験できないような事案も多くあり、やりがいを感じます。また、日田の公証人の方が開いている勉強会にも参加するなど、地元の方々とも家族ぐるみの付き合いをさせて頂いてます。日田が楽しくて、引退したら日田に住みたいとまで思っています。()

※写真 柿木弁護士の相談風景

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  ―最後に、、、     

梯 :それでは最後に、趣味などをお聞きしても良いですか?


河野:最近始めたことは陶芸です。そして誰も登っていないような山に子供と登ること。あとはやっぱりワインですね。ワインは自分の夢だったソムリエ試験に挑戦して、やっと去年の12月に合格証をいただきました。()あと最近は老後のこと考えたりもします。健康診断ではどこも悪いところはないですし、肩腰膝ともに痛くないので、健康であと20年はできるかなと考えています()


梯 :今後も楽しみですね。本日は大変ありがとうございました。
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